生産量を労働投入量で割った比率で、分母としての労働投入量は労働者数ないしは延べ総労働時間(man-hour)で定義される。実際に経済全体の(平均)労働生産性を計算する場合、通常、分子の生産量として実質GDPが、そして分母の労働投入量として就業者数や就業者数×平均(年)労働時間等が用いられる。また、同じようにして産業別の労働生産性を求めることができる。就業者数で測った(平均)労働生産性は、不況期に下落し好況期に上昇する傾向がある。このような傾向が生じるのは、(1)人員による雇用調整が労働時間に比べて遅れる傾向にある(景気の変動に伴ってすぐには減ったり、増えたりしない)こと、(2)従業員への教育訓練や研究開発投資は、不況期により活発化する傾向がみられること、などによると考えられる。