インターネットを利用した職(人材)探しの方法。インターネットによる職探しは、求職者・求人企業双方の職探しにともなうコストを大幅に低下させ、より多くの潜在的な求職・求人情報が社会に提供されるようになる。その結果、ジョブマッチングの社会的な効率性が大幅に高まる効果をもたらす。また、求人企業にとって、必要なときに必要な人材を必要な数だけ雇い入れることがより容易になり、雇用形態の多様化を加速させる。ただし、インターネットを利用した職探しの隆盛はこれらの便益だけでなくコストをもともなう。なかでも、求人企業に対する求職者の適性に関するマッチングの際に不可避的に存在する情報の非対称性(マッチング時に求職者は知っているが、求人企業は知らない情報があるということ)は、社会全体に大きなコストをもたらす。事実、職探しコストが大幅に低下すると、特定の求人に対し、それまで自重していた適性のより低い人々の職探し意欲が急増するため、求職者の玉石混交度が大幅に上昇する。そのため、適性のより高い求職者は自分を差別化するためにより魅力的な学歴・職歴・資格などを過剰に求めがちとなる。さらに、求人企業も、適性の高い人々を引きつけるべく採用に際して過剰な要件を設定しがちとなる。その結果、本来であれば不必要な社会的コストが発生することとなる。