2004年3月1日に派遣が解禁された製造業務の場合、07年3月1日以降、派遣受け入れ期間を最長3年まで延長することが可能になり、その1年前から派遣の受け入れを開始し、3年への延長手続きをとった派遣先が、09年2月28日以降、続々と派遣受け入れ期間の満了日を迎えることになり、これにどう対応するかという問題に直面した。「2009年問題」という言葉はここに由来する。08年9月には、厚生労働省が、再派遣を予定した派遣先の直接雇用(派遣法が禁止する「継続」した派遣の受け入れをクリアするための「3カ月のクーリング期間」のみの形式的な雇用)は認められず、指揮命令が必要な場合には再派遣を予定しない直接雇用に移行すべきであるとの見解を通達で明らかにしたことから、派遣先はその対応に苦慮することになったものの、その前後に生じたリーマン・ショックによる不況の深刻化を受け、製造現場では派遣の受け入れそのものをやめた企業が多く、「2009年問題」は事実上沈静化した。ただ、その後、派遣の受け入れを開始した企業では同様の問題が再燃する恐れもある。