雇用の維持等を目的として、仕事を分かち合う(シェアする)こと。たとえば、仕事の量が5人分から4人分に減った場合、1人当たりの仕事量をそれまでの8割に減らすことができれば、5人分の雇用を維持することが可能になる。ただ、賃金の引き下げを一方で伴うことから労働側には抵抗があり、労働時間に比例して人件費は必ずしも減らないことから、企業側もこれを歓迎しない場合が少なくない。また、定型的な仕事を除き、ワークシェアリングの導入は難しいという問題もある。失業率が5%を超えた2002年3月には、雇用維持を目的とした「緊急対応型」と、中長期的に短時間労働者の増加を促す「多様就業型」を掲げ、導入のための環境整備を図るとした「ワークシェアリングの基本的な考え方」について政労使が合意したものの、実際に導入にまで至った企業は少なかった。経済状況が急速に悪化するなか、09年3月には「日本型ワークシェアリング」の導入で政労使が再び合意したとはいえ、残業時間の削減や一時帰休等の雇用維持対策の域を出ないものとなっている。