従業員の行った同一の非違行為に対して、重ねて懲戒処分を行うこと。例えば、業務命令に違反した従業員に対して出勤停止処分を行った後、その者を懲戒解雇するようなケースを指す。二重処分については、1回目の処分により従業員に対する制裁はすでに完了していると考えられることから、違法無効とされる場合が多い。ただ、同一の非違行為を繰り返し行った従業員に対して、懲戒処分歴のあること(にもかかわらず、悔い改めなかったこと)を考慮してより重い処分を行うことは、二重処分には該当しない。他方、定年退職者について、懲戒処分歴のないことを再雇用の基準とすることを労使協定で規定することもごく普通に行われており、使用者には採用の自由があることから、このようなケースも二重処分には当たらないと解されているが、こうした労使協定による基準の設定そのものを認めない方向で、法改正(高年齢者雇用安定法の改正、2013年4月1日施行)が行われた。