高齢者にそのライフスタイルに合わせた「臨時的かつ短期的」な就業機会やその他の軽易な就業機会を提供することによって、高齢者の健康で生きがいのある生活の実現等を図るために設けられた組織。都道府県知事の許可を受けた公益法人で、原則として市(区)町村単位に置かれる。主に地域の家庭や企業、公共団体などから請負や委任契約により仕事を受注し、会員として登録した高齢者の中から適任者を選んでその仕事を遂行してもらう仕組みが採用されている。2011年度現在1294団体、会員数76万3427人。契約金額も年間3000億円を超えるものとなっている。シルバー人材センターは労働者派遣事業や無料職業紹介事業も行っているが、こうした場合を除き、就業先との間には雇用関係がないため、就業中負傷した場合にも労災保険が適用されないという問題があり、12年にはこのことが社会問題化し、健康保険における業務上・外の区分を廃止して、労災保険の適用を受けることができない場合には健康保険の対象とする方向で検討することになった。