ジョブ型正社員ともいう。勤務地または職種(ジョブ)が限定された正社員のこと。この場合、特定の勤務地や職種で働くことが労働契約の内容となっているため、労働者はそれ以外の勤務地や職種で働くことを義務づけられない。特約が優先するため、就業規則に配置転換に関する定めがあったとしても、配転命令に応じる義務は労働者にはない。その一方で、異なる勤務地や職種に配置転換する義務は使用者にはないので、特約された勤務地や職種がなくなれば職を失うリスクを負うことにもなる。勤務地はともかく、職種を限定した働き方がどの程度浸透するかについては、これを疑問視する声もある。業務区分が実際には困難なことから、派遣法の改正では、26業務とそれ以外の業務との区分を廃止する方向で進められようとしていることからみても、その定着には時間がかかるといえよう。