国家共通最低限綱領、国家共通最小限綱領などと訳される。2004年5月に発足したインドのマンモハン・シン政権の与党UPA(統一進歩連合 国民会議派を中心とする15政党で構成)の政策基本方針。(1)社会調和の維持、暗愚主義や原理主義的要素の排除、(2)10年以上にわたる雇用拡大をともなう年率7~8%成長の維持、(3)農民、農業労働者、工員など未組織部門の福利厚生と世帯生活の保障、(4)女性の地位向上、(5)指定カースト、指定部族、少数宗教に対する機会均等、(6)企業家、ビジネスマン、科学者などの創造的エネルギーの開放、を骨子として、経済自由化路線は踏襲しつつも、発展の恩恵を十分に享受できず前政権不支持に回った農村や貧困層に対しての最大限の配慮を打ち出している。06年度の予算案も、10%の経済成長を目標に、雇用拡大のための製造業振興(自動車や繊維、食品加工などを重点産業と位置づける)とともに、貧困層支援、農業関連、インフラ整備への重点的な配分が目につく。