バングラデシュのジアウル・ラーマン大統領が提唱した南アジアの地域協力構想で、1985年12月に発足。福祉充実、文化の発展などをおもな目的とし、加盟国はインド、パキスタン、バングラデシュ、スリランカ、モルディブ、ネパール、ブータンの7カ国。構成国は、包括的経済連携の枠組みである南アジア自由貿易地域(SAFTA South Asia Free Trade Area)を2006年1月に発効させた(スリランカとパキスタンは協定への批准を保留)。同協定の貿易自由化プログラムでは、第1段階として、発効日から2年以内に、関税率をLDCs(後発発展途上国 バングラデシュ、ブータン、モルディブ、ネパール)は30%以下、インド、パキスタン、スリランカは20%以下に引き下げなければならない。第2段階では、関税率をLDCsは15年末、インド、パキスタンは12年末、スリランカは13年末までに0~5%の範囲内に引き下げる。ただし、インドは引き下げの対象外となる品目のリスト(センシティブ・リスト)としてLDCsに763品目、非LDCsに884品目と大量の品目を指定する。その意味では順調とはいえないものの、SAARCが動き始めたことの意義は大きい。