政府が目標とする、タイの自動車産業を形容した言葉。2003年に重点産業として自動車産業を指定し、クラスター戦略を実施した。ねらい通り、ASEAN(東南アジア諸国連合)内での有力な生産拠点に成長しており、当初に掲げた、06年に100万台を生産、40万台を輸出する目標は、05年の自動車生産台数がすでに100万台を突破、10年の生産目標を200万台へと上方修正している。国内市場の主役がピックアップトラックであることから、同車の輸出拠点化をめざしており、いすゞ自動車やトヨタなどもタイでの増産を計画している。日本メーカーの進出にともない、日系部品企業の関連投資も大幅に増大、ブリヂストンなどのタイヤ関連、ゼクセルなどのコンプレッサー金属部品、電子制御ユニットなどが投資認可を受けた。今後の課題は、エレクトロニクス化が進む自動車にとってのコア部品となる電子制御ユニット。「デトロイト化」には技術者の不足も問題で、日タイ経済連携協定(EPA)の目玉として「タイ自動車産業人材育成プロジェクト」の覚書を05年に締結している。