「持続可能な発展のために国家競争力を拡大すること」を目的に、2006年3月末に国会に提出された06~10年の5カ年計画。アブドラ・バダウィ首相としては就任後初の5カ年計画で、経済成長だけではなく所得格差是正を打ち出し、前任のマハティール・モハマド首相とは異なる独自色を強調した。(1)民族間や地域間格差の縮小、(2)農業、生命科学、観光、情報通信技術などで中小企業の育成、(3)知識集約型経済移行への人材開発、(4)公的機関のサービス改善、の基本原則に沿って、(1)20年の先進国入りをめざしバリューチェーン(価値連鎖)の考え方を高める、(2)知識集約型社会のメンタリティーを形成する、(3)不平等を是正する、(4)社会のレベルを高める、(5)関連機関の能力を構築する(キャパシティー・ビルディング)、との基本方針を示した。数値目標では、期間中のマレーシアのGDP成長率を年6.0%平均に設定する。また、所得格差是正のためのブミプトラ政策(「土地の子」重視=マレー系と先住民の優遇政策)では、ブミプトラの資本保有比率を20年までに30%とする目標。