2001年に中国、ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンの6カ国により成立した地域協力機構。ほかにモンゴル、インド、パキスタン、イランがオブザーバーとして参加する。信頼、相互利益、平等などを理念に掲げ、中長期的には、貿易や投資の手続き簡素化、技術協力などを通じた域内経済の統合を進める。機構内には、加盟金融機関が銀行同士の信用情報の交換や決済機能の円滑化など各国間の経済協力を資金面で支援するSCO銀行連合体、域内の経済交流の拡大や投資環境の改善について協議するSCO実業家委員会、石油や天然ガスの流通などでの協定であるSCOエネルギークラブなどがおかれる。06年6月の5周年共同宣言は、地域の平和や安定を守る、テロなどの取り締まり優先、エネルギー分野の協力が盛り込まれ、社会政治体制の違いを内政干渉の口実としないなど、アメリカを強くけん制する内容となった。中央アジアの資源に着目し、その獲得についてアメリカ、日本などとの競争が活発化している。ただし、SCOの結束も一枚岩ではなく、中国、ロシア間の相互けん制、あるいは中央アジアの中国主導への懸念も強い。