2002年に国連総会で採択された、貧困削減、保健・教育の改善、環境保護に関する15年までに達成すべき八つの目標。(1)1日1ドル未満で暮らす人口比率の半減、(2)初等教育の完全普及、(3)ジェンダーの平等、(4)子供の死亡率削減、(5)妊産婦の健康改善、(6)エイズやマラリアなどの疾病のまん延防止、(7)持続可能な環境作り、(8)グローバルな開発パートナーシップの構築、があげられている。02年に始動したミレニアム・プロジェクト(アナン国連事務総長によって任命されたジェフリー・サックス特別顧問が率いる独立諮問機関)は、各国の目標達成支援のための戦略立案を職務とする。飢餓や教育などの課題への対応に必要とされる投資額を算定し、06年に富裕国に対し1350億ドルの拠出を求めたり、ガバナンスの重要性(汚職を減らすこと)、貿易と民間投資の拡大などの提言、開発途上国の輸出競争力強化を支援するためのインフラ整備と高所得国の市場開放の呼びかけ、などの活動や成果をあげている。MDGsの優先目標について、東アジアでは、貧困削減などでの成果が評価されているが、中国では衛生、農村インフラ、教育、環境で課題があるとされている。南アジアでは、インドが成長面で成果をあげたが、衛生インフラ、高等教育、農業インフラ、水利システム、スラムの改善などが優先目標とされた。