インドに形成される、デリーからムンバイへと連なる約1500kmの工業地帯。日本でいえば、南関東から北九州を結んだ太平洋ベルト地帯に相当する。この産業回廊を産業集積地として開発する建設プロジェクトが、デリー・ムンバイ間産業大動脈構想として、2006年12月の安倍晋三首相(当時)インド訪問時の首脳会談に盛り込まれ、日本とインド両国共同で推進されることになった。日本にとっては、インドの将来性を見込み、日本企業の活動しやすい産業基盤の整備を進めることがねらい。構想は08年から5年間で完成をめざす幹線貨物鉄道輸送力強化計画(DFC Dedicated Freight Corridor)による高速貨物鉄道の整備を軸に、鉄道沿線地域を集中的に開発するとし、工業団地の整備に加え、港湾や空港の新設も計画されている。総投資額は900億ドルに達するとの試算もある。工事は08年1月に着工、工期は12年間の予定とされる。