2007年1月に開業した台湾の高速鉄道。日本の新幹線技術が初めて海外で採用された。それまで4時間半かかった南北の2大都市、台北と高雄を90分、時速300kmで結ぶ。事業は、民間企業の台湾高速鉄路が建設、運営し、後に公共団体に譲渡するBOT方式(build operate and transfer)で進められた。総工費は約4800億台湾ドル(約1兆7900億円)。1992年に建設計画が策定された当初は、ヨーロッパ企業連合が受注、ヨーロッパ方式で基本設計が進められ、後に日本の企業連合7社が逆転受注するという経緯をたどり、開業までに時間を要した。また、使用車両はのぞみ700系をベースとする日本製700T、ポイントはドイツ、通信はフランスと、日欧システムが混在している。そのため、開業前後には、車両基地での脱線、販売システムのダウンなどが起き、運用面の安全性を不安視する声もあったが、まずは順調なスタートと評価された。