ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟10カ国のうち、後発加盟国のカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム4カ国のこと。ASEANがめざす地域統合の実現には、なにより域内の所得格差是正が大きな課題である。その焦点となるのがCLMVで、4カ国のうち、外資の導入により比較的順調な経済発展を続けるベトナムを除く3カ国は、政治的に問題を抱えるだけでなく、発展戦略の前提条件になるインフラ整備が必要な段階にある。そのため、先発組のタイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、シンガポール、ブルネイによる後発組支援が必要とされる。しかし、1997年のアジア通貨危機により、ASEANの中心となってきた国がインドネシアからタイにシフト、そのタイも、2006年のタクシン政権崩壊により主導権を失ったため、ASEANの核となる国がなくなり、域内で支援のイニシアチブをとる国が存在しない状態に陥っている。