2003年に発足した中国の胡錦濤政権が打ち出した指導思想。原文は科学発展観。人を根本とし、科学的かつ合理的観点から、全面的で均衡のとれた持続的な発展をめざす。高度経済成長を大前提に、国内総生産の数字のみを追求することなく、都市・農村の発展、地域の発展、経済・社会の発展、人と自然の調和のとれた発展、国内発展と対外開放の5項目を統一的に企画し、改革・発展を推進するとしている。背景には、経済発展が生み出したさまざまな格差やひずみを是正するねらいがある。中国は、07年に成長中心から、知的財産権の保護、環境重視、所得格差是正への方向を鮮明にした。12年の共産党大会で、中国共産党の指導思想として、党規約に盛り込まれた。