輸入でまかなわれている製品に高関税を課し、輸入を減らす一方で、自国内に産業を育成し、外貨を節約、雇用を創出する政策。ミャンマーの工業の特徴は、食品・飲料が高い比率を占め、繊維・衣料、建設資材、機械、木材加工が続く。地域もヤンゴンと第2の都市マンダレーに集中する。問題点として、国営企業が増加し、民営化も進んでいないことである。輸入代替政策は、日本を含めアジアのほとんどの国で経済発展の初期に実施され、ある程度の成功を収めた。しかし、政府の保護政策は、政府のコストもかかる。さらに、原材料を高いコストで輸入する民間企業は、コスト競争力を失うために輸出が難しく、経営も圧迫される。また、特定産業に偏って保護するために、制度的に汚職の温床になる。ミャンマーを除くと世界的にもこの政策を実施する国は珍しくなりつつあり、輸出指向型の工業化をめざすことが一般的である。