日本と韓国で2003年1月に発効した投資協定。原則として、投資活動で相互に内国民待遇と最恵国待遇を与えること、相手国での部品調達率を強制しないなどを内容とする。日韓合同委員会の設置および委員会の定期開催も合意された。日韓の経済協力は歴史的な経緯もあってスムーズではなかったが、経済のグローバル化の中で国際競争を勝ち抜くためには不可避である。中小企業創業支援法、新技術事業金融支援法、ベンチャー企業育成に関する特別措置法などによる政府支援策で誕生した韓国のベンチャー企業には、日本進出をめざす企業が増加しており、日本企業にとっても、これら企業との提携は、企業再編を生き残るための重要な戦略であることから、双方にとり、この投資協定の意義は大きい。また、アジア地域レベルの視点においても、ASEAN＋3の経済協力関係の形成に重要な役割を担うと期待される。ただし、この協定は、韓国側では日本の非関税障壁の緩和、日本側では労使紛争是正の項目がないなど、両国ともに問題点を内包している。