日本とASEAN(東南アジア諸国連合)の経済連携を強化し、日本-ASEAN間の貿易・投資の自由化や単一市場の形成を目的とする構想。2002年1月に小泉純一郎首相が提案し、11月の日・ASEAN首脳会合で共同宣言に署名した。内容は10年以内のできるだけ早期に、それぞれの国の経済レベルや輸入制限品目を考慮した自由貿易協定(FTA)を締結、03年中にJACEP実現のための具体的枠組みを検討・起草する、など。03年10月の首脳会合では04年からの協議開始、05年初からの交渉開始の枠組みに署名した。07年11月の日ASEAN首脳会議では、日ASEAN包括的経済連携協定の締結に最終合意し、交渉妥結の共同声明を発表した。構想の背景には、近年、ASEANをめぐり、中国(10年にFTA締結予定)、インド(11年にFTA締結予定)、韓国(09年にFTA締結予定)、EU(欧州連合)、オーストラリア・ニュージーランド、アメリカなどとの経済緊密化の動きが急速に活発化しており、日本も急ぐ必要に迫られたことも一因といわれる。