アジア地域統合にむけた政策提言を行う研究所。2006年8月に二階俊博経済産業大臣(当時)が、日ASEAN経済担当大臣会合で設立を提案し、07年11月の東アジアサミットで16カ国の首脳が設立に合意した。08年6月には設立総会が開かれ、事務所がジャカルタに置かれた。活動については、07年5月に研究プロジェクト、研修事業、シンポジウムの実施が決まった。研究の柱は、地域統合の推進、貧富の格差是正、持続的開発の3点である。地域統合の推進は、統合推進のためのロードマップを提言するために、産業集積、インフラに関して政策提言を行うことになっている。アジアの地域統合がヨーロッパのそれと異なるのは、アジアでは貧富の格差が大きいことで、ASEAN加盟国の1人当たり所得は400ドルから3万ドルまで大きな幅がある。また、各国の多様性を考慮した上での格差是正が不可欠である点なども、難しい点といえ、実践的な政策提言が成果として望まれている。研修事業は、遅れた地域のキャパシティー・ビルディングとして、人材育成がねらいであり、研修事業の成功がアジア地域統合を左右するとも考えられる。