中国で毎年開かれる日本の国会に当たる全国人民代表大会。第11期全国人民代表大会第2回会議となった2009年は、10年の国内総生産(GDP)成長目標を約8%とし、都市部の失業率を4.6%以下、消費者物価上昇率を4%程度とする目標を決めた。また、総投資額4兆元の景気刺激策、その効果を促進するための5000億元(約7兆円)の企業・住民税減税、地方債発行、新規の銀行貸し出しを5兆元以上増やすことを決め、予算は9500億元の赤字を見込んだ。09年のGDP成長率は8.7%で、政府目標の8%を達成した。自動車の生産は1000万台を超え、世界経済の08年のリーマン・ショックによる不況からの脱却に、中国経済は大きく貢献した。ただし、中国の沿海部経済は、これまでの、単に産業が集積して労働集約産業が成立する段階から、次の段階である、イノベーション(革新)に向けた対策が必要な時期を迎えつつある。