中国の2009年の国内自動車販売市場のこと。中国の新車販売台数は、09年に初めて1000万台を超え、アメリカを抜いて世界1位となった。日米欧の販売不振とは対照的な好調ぶりから、輸出だけではなく、今後は中国国内販売に焦点を当てた各自動車メーカーの展開が注目される。世界の大手自動車も中国進出を加速しており、ドイツBMWやアメリカのゼネラルモーターズ(GM)は新工場計画を明らかにしたほか、トヨタもカムリのハイブリッド車を10年までに生産するとの発表があった。なお、新車購入満足度では、ホンダの現地合弁会社でアコードやフィットを販売する広汽ホンダが首位、トヨタのレクサスが第2位と、日本メーカーの健闘が目に付く。中国政府は、産業政策として自動車産業再編の方針を09年3月に発表した。方針では11年までに年産200万台超のメーカーを2~3社、年産100万台規模のメーカーを4~5社育成するとしている。中国メーカーの動きは活発で、広州汽車は、5月に三菱自動車が株主の湖南長豊汽車製造に出資するとともに、7月にはイタリア・フィアットとの湖南省での合弁生産計画を発表、フィアットの小型車を11年から生産する。世界的に焦点となっている環境対応車の分野では、広東省の電池メーカーを母体とするBYD汽車が、自社ブランドのプラグインハイブリッド車の商品化に成功した。今後は電気自動車開発が課題だが、中国企業はこの面で大きな可能性を持つ。ちなみに09年の中国の自動車生産台数は1300万台となり、日本の約600万台の約2倍の規模になる。