2008年から韓国で始まった、環境を良くしながら経済成長につなげようとする政策。計画では、韓国政府が温室効果ガスの削減などに向けた技術開発や公共事業を通じて、09年から13年までの5年間で156万~181万人の雇用を創出するために合計107兆ウオン(日本円で約10兆円)を投資する。大統領直属のグリーン成長委員会は、韓国の経済社会の発展過程を1990年までの産業成長時期、2008年までの知識成長時期、その後のグリーン成長時期に三分し、08年に低炭素グリーン成長国家戦略を5カ年計画として示した。計画には36のプロジェクトがあげられ、ハイブリッド車の開発への投資拡大、環境配慮型の交通網の構築、200万戸の省エネ「グリーン・ホーム」の提供、韓国の4主要河川の浄化が含まれる。また、グリーン技術と産業に対する投資を拡大し、グリーン債券を発行するとし、これらの政策は、20年までに世界7大グリーン強国になるための対策と位置づけた。韓国のグリーン政策は、国連環境計画(UNEP)が提唱する「グリーン・ニューディール」に呼応して始まった。韓国経済はこれまで、1998年のアジア通貨危機、2008年の世界不況と2度の危機に直面したが、経済政策により急速に立ち直った。新たなグリーン・ニューディール政策の採用は、さらなる経済の高度化を目指した経済政策である。