2011年3月に開催される全国人民代表大会に国務院が提示する中国の5カ年計画。第12次5カ年計画(11~15年)の主要目標は経済発展モデルの転換加速である。経済構造の戦略的調整、イノベーション、国民生活の保障、資源節約型・環境保護型社会の建設と加速が方針として示された。環境保護に関しては、飲料水の水質、大気汚染、土壌汚染問題などの改善を重点に位置付け、さらに、環境保護税の導入や環境保護産業への投融資制度の整備などにも言及している。省エネ・環境、次世代技術、バイオ、ハイエンド設備製造、新エネルギー、新素材、新エネルギー自動車の7産業を戦略的新興産業として、その育成と発展に力点が置かれ、環境保護産業については、省エネ効率の高い技術・製品、研究と開発、廃棄物回収の体系構築、クリーンコールエネルギーと海水の総合利用などの方針が打ち出された。産業構造の転換を急ぐ中国経済は、経済のサービス化、知的財産権の保証とともに環境問題にも本格的に取り組んでいくことになる。