台湾と中国が締結した経済協力枠組み協定。台湾立法院が2010年6月に承認し、11年初から実施された。協定締結時に優先実施項目として中国側が539品目、台湾側が267品目の関税を段階的に削減し3年目からゼロにする、中国は金融、病院の設立、会計士など11のサービス分野の参入条件を緩和する、台湾の銀行支店開設申請要件を事務所開設後2年から事務所開設後1年に緩和する、などがおもな内容。中台関係は、台湾に馬英九政権が発足した08年以降、急速に改善し、「三通(直接の通航、通商、通信)」、中国人観光客の受け入れ、台湾の対中投資規制の緩和や中国からの直接投資の受け入れ解禁などの規制緩和が実現した。ECFAによって、中台の経済関係は新たな段階に入ったといえる。ただし、台湾では12年に総統選挙があるため、結果によっては政策が変化する可能性もある。ECFAによって関税撤廃が進めば、中国市場では台湾企業が有利になり、日本や韓国企業に影響を与える可能性がある。