アジアに「アジアのデトロイト」と呼ばれる自動車産業の集積地はいくつかあるが、インドでは南部の東側にあるタミル・ナドゥ州の自動車産業クラスターがそう呼ばれ、フォード、現代自動車、ルノー・日産連合などが進出している。主要港はチェンナイ港とエンノール港。チェンナイに立地するインド日産では小型車マーチを生産、インドで80万円台で売り出すとともに、2010年からはエンノール港を使って完成車輸出を開始した。日系企業のインド南部での拠点数も、10年は前年より4割強増加し、特にタミル・ナドゥ州の増加が顕著である。自動車部品産業も好調で09年後半からフル稼働が続き、20年に生産高5倍を目指している。インドでは高度成長が本格化し、中国にキャッチアップする勢いである。日系自動車メーカーも投資を拡大しており、デリー近郊に立地するスズキは4輪車の新工場を建設する方針を決定、バンガロールのトヨタは、90億円を投資して、インド向け戦略小型車のエンジンとトランスミッションを現地生産する計画を発表している。