タイ、ベトナムなどインドシナ5カ国が2010年にベトナムで採択した域内産業活性化の行動計画。各国が09年にまとめた地域開発の基本戦略の日メコン経済産業協力イニシアチブを具体化したもので、内容は、日本とメコン地域の民間代表が政府に要望を伝える日メコン産業政府対話で提出された、産業界の要望をとりまとめた提言書に基づく。日本やタイが資金支援をする形で鉄道や橋、道路など国境を越えたインフラ整備や物流制度の改善を促進する。日本側からは、インフラの整備、貿易の促進、中小企業支援、新しい成長分野での事業育成の取り組みが要望として出され、インフラではベトナムの港湾整備、インドシナ半島を横断する国際幹線道路「東西経済回廊」の高規格化、メコン川での橋梁敷設などを重点項目とした。東西経済回廊は、ミャンマー、タイ、ラオス、ベトナムを横断する1450キロの国際幹線道路であり、ラオス・サバナケット、タイ・ムクダハンに架かる第2友好橋が06年2月に完成した。ラオス部分は311キロあるが、特に重機など重量物を運搬する大型トラックなどによる路面破損などの問題がある。道路の高規格化はレアメタルなど鉱物資源を運搬する際の利便性を高める。インフラでは、ベトナムのラックフェン港、カイメップ・チーパイ港、ミャンマーのダウェー港、タイのラノーン港の開発が要請された。アセアンでは、エンジニア、企業管理者、政府関係者の能力開発プログラムの人材の不足があり、ベトナムではすそ野産業育成が要請されている。