アメリカと韓国間の自由貿易協定(FTA)。2006年6月に交渉を開始、07年4月に締結されたが、アメリカ、韓国双方から不満が表明されたため追加交渉が行われ、10年12月に合意に達した。アメリカでは11年10月、韓国では11月に批准され、12年3月15日に発効した。協定は発効から5年以内に95%以上の工業製品などの関税を相互に撤廃、10年以内に貿易品目ベースで98%以上の農産品、工業製品の関税が相互に撤廃される。韓国側ではサービス業、農業への影響が懸念されており、政府試算で果樹、畜産を中心とする農業生産額が年平均8150億ウォン減少するとしている。半面、輸出産業への効果も大きく、年間数十億ドルの輸出増加が見込まれ、自動車産業は15年間で年平均7億2200万ドルと試算している。アメリカ側での政府の効果試算は年間110億ドル以上の輸出増とアメリカ国内での7万人以上の雇用増を見込む。韓国は、小さな国内市場から輸出拡大による経済成長を志向、その戦略として、03年にFTAを主軸とする対外経済政策「FTAロードマップ」を策定し、積極的なFTA戦略を推進しており、11年8月時点での貿易総額のうちFTA相手国との貿易額が占める割合は、日本の17.6%に対して36.2%に達する。