中国で実施される自国通貨人民元の改革。銀行による為替取引の持ち高規制の緩和や資本取引の投資枠拡大などが進められる。これによって海外からの投資資金の流入が期待でき、元高を招く可能性がある。中国は輸出促進などを目的に元安操作を続けているとして、アメリカなどの批判を浴びてきたが、元高はこうした批判に応えるものといえる。また、政府は人民元の国際化、人民元経済圏の拡大を進め、中国企業の海外進出を促している。改革の一環として、ブラジルなどの新興5カ国(BRICS)の間で人民元と相手国通貨を融通しあう通貨スワップ協定網の構築を目指している。また、2012年4月には中国人民銀行が人民元の対ドルの1日当たりの上下変動幅を0.5%から1%に引き上げ、6月1日から円人民元直接取引を開始、8月から企業の人民元での貿易決済の手続き簡素化を決定するなど、矢継ぎ早に人民元国際化のための施策を打ち出している。