ベトナムにおけるビジネス環境・投資環境を改善し、投資拡大を通じて産業競争力を高めることを目的とする枠組み。2003年4月にファン・バン・カイ首相と小泉純一郎首相(いずれも当時)の合意に基づき設置された。約2年を1サイクルとして、投資環境改善の計画をとりまとめ、実施後に両国で進捗状況を評価する。03年12月~05年11月の第1フェーズ、06年7月~07年11月の第2フェーズ、08年11月~10年12月の第3フェーズと続き、11年7月から始まった第4フェーズが12年11月に終了した。第4フェーズでは70の行動計画が立てられた。裾野産業の金型分野で国家技能試験制度が設けられ、外資小売り・流通業の多店舗展開における進出規制の運用基準が明確化され、マクロ経済の主要経済指標が中央銀行のウエブサイトに公表され、透明性を増すなどの成果をあげた。第5フェーズは13年半ばをめどに立ち上げる合意がなされ、行動計画の検討が進む。工業化戦略の優先発展分野として電気・電子、食品加工、造船、農業機械、環境・省エネルギーなどの可能性や、産業人材育成やインフラ整備の課題などが検討されている。