インド経済をけん引する産業。経済が低迷するインドにあって、インターネット携帯電話協会(IAMAI)は、2014年から20年にかけて、電子商取引の年率40%の成長を予測するなど、急成長が見込まれる分野である。ITサービス業界は好調で、タタ・コンサルタンシ―・サービシーズ(TCS)、インフォシス、ウィプロの大手3社が発表した2013年度の業績は、主な販売先となる金融業を中心に、拡大している。ジェトロ「通商弘報2014年6月6日号」によれば、13年度は金融業向けの販売の全売上高に占める割合は、大手3社平均で約36%であった。インド準備銀行、フォーキャスター調査によれば、14年4月に経済状況に改善の兆しが見えたものの、成長の減速が目立つインドにとっては、目を引く産業といえる。ただし、今後は低価格のスマートフォン市場で中国との競合が予想されるなど、懸念材料もみられる。