消費の質の高度化を支える中心となる第3次産業。経済発展で重要となる国内消費の構造転換と増大の鍵を握り、ベトナムでは、新たなサービス産業の台頭に注目が集まる。ジェトロの「通商弘報」によれば、小学生から学習塾へ通うケースの増大や、語学学校や料理教室、ヨガなどが人気を集め、また、家政婦のニーズが中流家庭に広がるなど、新たな消費分野が生まれつつある。また、観光においても高品質な医療サービスや美容整形を目的に外国へ出かけるベトナム人が増えたとの報告もある。イオンモールが2014年1月に、初めての郊外型ショッピングセンターとして、アミューズメント施設を備え、ホーチミンに進出した際は、事前の予測以上の集客効果を生み出すなど、流通業でもこれまでにない動きが出始めている。ただし、流通においては、ジェトロが13年11月~14年2月に行った調査では、コールドチェーン(生鮮食品などを低温を保ったまま流通させるシステム)が未整備であるという問題が指摘された。