マレーシアの首相府経済企画院が第9次マレーシア計画(2006~10年)のもとに、官民パートナーシップ(PPP)を通じた経済成長に焦点を当てることによって、国内の開発の不均衡を是正する目的で策定された開発計画。開発理念は、開放経済、多民族国家、混合経済の融合に置かれた。この計画期間中に、イスカンダル開発地域、北部回廊地域、東海岸経済地域、サラワク生成可能エネルギー回廊、サバ開発回廊の五つの地域回廊開発構想が形成された。政府は、教育、金融、ヘルスケアなどのサービス業を中心に重点産業を指定し、いずれも、民間企業の役割を中心にした知識集約型の高付加価値経済を目指す。イスカンダル開発地域は、ジョホール州の新しい行政センターとしてのヌサンジャラ・タウンの開発が中心となり、北部回廊地域は、ペラ、ケダ、ペナン、ペルリス州にまたがり、多国籍企業により観光分野、グリーン技術に関連する投資が行われている。また、それ以前、1990年代にも地域回廊開発構想があり、この構想では、近隣諸国との共同開発構想を通した成長トライアングルの開発と連動していた。インドネシア・マレーシア・タイ成長トライアングル(IMT-GT)、ブルネイ・インドネシア・マレーシア・フィリピン成長地域(BIMP-EAGA)、マレーシア・タイ共同開発戦略(JDS)などである。これらの開発効果としては、貧困削減、新道路網、新雇用創出、36新都心、格差是正があげられる。