2010年に開発の視点として挙げられた五つの戦略。第1に、持続的な開発と短期間での成長である。「積極的な成長モデルの転換」、経済再編、生産性・効率・競争力の強化が第一優先である。短期間かつ持続的な開発を実現しつつ、政治的社会的な安定に注意を払う。第2に、社会主義ベトナムの建設のための経済、政治面での「革新」(イノベーション)である。ドイモイの推進は経済革新と党と社会における民主化推進等の協調をとりながら実施される。第3に、民主主義の実践と人的要素の最大化である。総合的な開発に必要な条件として人権、市民権、民主化を保障する。人的資源を有効活用するとともに質を改善する。第4に、生産力強化、科学技術の向上、社会主義に基づく市場経済体制の改善、国際的な統合の中での自立した経済の形成である。経済の公的部門はマクロ経済安定化に主導的な役割を果たし、その潜在性や効率を高める。また、ビジネスや生産における、さまざまな混在した所有形態を奨励する。「民間部門」が経済を牽引できるよう民間部門の着実な開発を促進する。外資による開発を承認されたマスタープランに沿って奨励する。対等な透明性のある競争環境を整備する。第5に、国際的な統合の中での自立した経済の形成である。国力を高めると同時に、外資の誘致を図り国際的な経済統合に積極参加する。ブランドを開発し、競争力を強化することで、経済的な自立を確保する。