線路と道路の両方を走行できる鉄陸両用車両。旧国鉄やイギリス、ドイツ、オーストラリアなどでも研究が進められていたが、JR北海道が世界で初めて乗客輸送向けに実用化した。26人乗りマイクロバスの車体を改造し、タイヤの内側に昇降可能な線路用車輪を備えた12人乗り車両を開発。車両価格は約2000万円で、一般のディーゼル鉄道車両の7分の1程度。道路走行と線路走行の切り替えには、モード変換ポイント(モード・インターチェンジ・システム)が用意されている。2007年には約7カ月にわたり、釧網線浜小清水駅~藻琴駅間で1両編成の試験的営業運行を初めて行った(乗客実績3059人)。ローカル線の採算難対策ばかりでなく、周遊観光利用にも普及の期待が大きいが、運転者に旅客運行上の動力車操縦者と大型第2種運転免許の両方が必要など、制度的な課題の解決も急がれる。