2003年に東京、名古屋、大阪の3大都市圏で始まり、11年7月に完全移行するテレビ放送の地上波デジタル化に対応して、現在の東京タワー(高さ333メートル)に代えて東京都墨田区の東武鉄道貨物操車場跡(業平橋・押上地区)で建設が進んでいる新しいテレビ塔。「東京スカイツリー」の名称は、公募、選定された中から08年6月に一般投票で決められた。高さは地上634メートルで、カナダ・トロント市のCNタワー(553メートル)を抜いて世界一となる(建造物としての高さはドバイの超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」の828メートルに次いで世界2位)。12年春の開業を目指して08年7月に着工し、事業主体の東武鉄道が初期投資額として600億円の資金をまかなう。地上350メートルと450メートルの2カ所に展望室が設けられるほか、周辺の商業施設と併せた観光名所化により、初年度で540万人の集客が見込まれ、数百億円の経済効果が期待されている。現タワーは、新タワー完成後もFMラジオ局などの電波送信を継続する予定。中国の広州市でも、600メートルの高さで、映画館、回転レストラン、展望台などの施設を備えたテレビ塔「広州塔」が10年9月に開業。同年に開催の第16回アジア大会が中継された。総工費16億元(265億円)。