診療科目の異なる複数の医院、診療所と調剤薬局が同一個所に開業する立地形態で、商業施設の集積したショッピング・モールから連想された用語。政府の医療費抑制策に基づく診療報酬引き下げで労働環境の改善を求める病院勤務医の開業志向が高まり、設備資金負担の軽減を図るとともに、地域の身近な医療ニーズに対応する新たな方式として普及し始めている。欧米で1980年代に登場し、2000年ごろから日本でも開設が増え始めた。運営主体には、ゼネコン、住宅・不動産、警備保障、商社・スーパー、医療機器リース、開業支援コンサルティング、ドラッグストア、調剤薬局などの業種の企業が進出し、(1)建物の同じフロアに隣接しているため、患者が上下階に移動しなくて済むクリニック・モール、(2)1棟の複数階に入居する医療ビル、(3)戸建施設が集積した医療ビレッジなどを稼働させている。