コンピューター・サーバーを中心とするIT(情報技術)機器と、高速ネットワーク接続回線設備を配置し、大量の情報処理・保管・配信等の運用・保守サービスを提供するデータセンターの省エネルギー環境配慮指向型モデル。より広義には、グリーンITの用語もある。アメリカの環境保護局(EPA)も、06年のアメリカ国内のデータセンターの年間電力消費量610億kWhが、11年には1000億kWhを超えると予想しており、検索ポータルの覇者Googleの最大費用項目は電気使用料との指摘もある。IT機器の高密度化に伴う電力消費の増大で、データセンター設備の取得費用を運用費用が上回りつつある事態と、地球温暖化防止対策の促進を背景に、消費電力の削減競争が盛んになり、IBMはエネルギー効率を飛躍的に高める製品・サービスの提供を目指して、「Project Big Green」と名付けた研究開発計画(年間10億ドル投資)を07年にスタートさせている。(1)サーバー電源装置の高効率化、(2)1台のサーバーで複数台の業務処理を実行できるようにする仮想化技術を活用して、遊休サーバーを統合化、(3)マシンルーム全体ではなく、高温発生機器の設置個所を合理的に冷やす冷却システムの導入、などの手法を組み合わせる。地下100mの空間に施設を作り、地下水を利用した水冷方式により電力消費を半減する計画も動き出している。ITサービスに関する国際標準規格「ISO20000」と、環境管理に関する「ISO14001」との接点も意識される。