コンテンツは、映画、演芸、音楽、スポーツ興行、文芸、美術、漫画・アニメ、ゲームソフト、ドラマ、ニュース、放送番組など、鑑賞・視聴する対象(情報財)の表現内容を意味し、コンテンツ産業は、これらを商品として提供する産業を横断的にくくった業界概念。2003年3月に内閣に設置された知的財産戦略本部が重要施策の一つに掲げ、04年5月のコンテンツ振興法(コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律)の制定により、娯楽・教養に属するコンテンツ・ビジネスの振興策が国家戦略に位置づけられた。総務省「メディア・ソフトの制作及び流通の実態」調査(11年7月)によれば、出版、放送、インターネットなどのメディア経由で利用されるコンテンツ(メディア・ソフト)の市場規模は、09年に11兆1595億円(前年比5.7%減)。インターネットを介してパソコンや携帯電話で楽しむネット・コンテンツの流通市場の規模は1兆5489億円(同4.3%増)に増加し、メディア・ソフト市場全体の13.9%に拡大している。04年の信託業法改正で著作権を信託に設定して信託受益権を売買することが可能になり、映画製作などの資金調達の円滑化によって、コンテンツの供給増大が期待されている。