公認賭博場を開設運営する商売。骰子(サイコロ)やトランプカードなどの骨牌(カルタ)を用い、またルーレットやスロットマシンなど各種の遊具を備え賭け遊戯(ゲーム)を提供するが、近年はリゾートホテルや劇場、テーマパーク、アリーナ、ショッピング街など娯楽設備から国際会議場・展示施設を擁した、エンターテインメント・コンプレックスとして発展している。モナコ公国のモンテカルロやアメリカのラスベガスが有名だが、アジアでも中国に返還後の2004年、澳門(マカオ)にラスベガスの大手資本が進出し、06年には売上高70億ドルでラスベガス(67億ドル)を抜いて世界一となるなど、カジノ市場を沸騰させている。カジノが牽引するマカオの経済成長に刺激され、シンガポールでは05年解禁に踏み切り、2カ所でカジノ複合施設の開業計画が動き出した。ラスベガス資本(ラスベガス・サンズ)はマリーナ・ベイ地区で、マレーシア資本(ゲンティン・インターナショナル)はセントーサ島で、10年に稼働した。アジアには、韓国、フィリピン、ベトナム、カンボジア、ミャンマー、インドなどに非合法を含めて200以上のカジノがある。刑法で賭博を禁じている日本でも、経済効果と観光振興を大義名分に自民党が06年にカジノ合法化に向けた基本方針を策定しているが、マネーロンダリング(資金洗浄)など犯罪の温床になる恐れやギャンブル依存症問題があり、新たな利権への思惑に対する世論の懸念も大きい。