微小電子機械システム。半導体集積回路(IC)の微細加工技術を基礎に、機械可動部を電子回路と融合させたマイクロサイズ(1000分の1ミリ)の微小電子機械部品。静電気や熱膨張、磁力などを動力源とする。1970年代にアメリカで芽生え、90年代には国防総省高等研究計画局(DARPA)の先端研究プロジェクトなどを通じて発達してきた。ヨーロッパではMST(micro system technology)、日本ではマイクロマシンとして研究開発が進められており、技術概念的に共通する。加速度センサー、光スイッチ、RF-MEMS(無線機器用高周波MEMS)、マイクロ燃料電池、ヘルスケアチップなどへの応用が有望視されている。さらに、100万分の1ミリのナノサイズに発展させたNEMS(nano electro mechanical systems)の研究も始まり、化学反応実験をチップ上で自動化するラボ・オン・チップ(laboratory on chip マイクロ化学チップ)の構想も現れている。半導体産業と同様に、設計-試作-量産を受託するファウンドリーが台頭しており、市場の急成長が見込まれる。