後発医薬品。約1万種類ある医療用医薬品のうち、新しい効能や効果を有し、臨床試験等によりその有効性や安全性が確認され、承認された新薬(先発医薬品)の特許が切れた後に、同一の有効成分、規格で、臨床試験などを省略して認可される医薬品。商品名ではなく、WHO(世界保健機関)規則に基づく主要成分の一般名(generic name)で呼ばれることに由来する。新薬開発に比べて、研究開発費の負担が軽く済むため、新薬の3~7割と安価に製造でき、中小規模の製薬企業を中心に約200社が手掛けている。保護期間の20~25年を経て、特許権が消滅した後にゾロゾロ出てくることからゾロ薬の俗称もあり、医療用医薬品全種類の30~40%で生産されている。日本ジェネリック製薬協会によれば、2010年度の市場シェアは9.4%(薬価ベース)、数量ベースの使用率では23.0%まで伸びてきているが、使用率6割の欧米には及ばない。そのため、膨らみ続ける医療費抑制の一環として使用の促進が図られ、06年4月の処方せん様式の変更により、欧米先進諸国で認められている代替調剤制度が、処方せんの使用欄に医師の署名が必要との条件で導入された。代替調剤制度は、医師が処方した医薬品を薬剤師が品質とコストを考慮し患者の同意を得た上でジェネリック医薬品に替えられる制度で、07年5月の政府の経済財政諮問会議では、ジェネリック医薬品の使用率が30%で5000億円、40%で8800億円の医療費削減効果があるとする試算も出されており、政府は12年度までに30%に引き上げる目標を示している。医療用薬効成分を転用した大衆薬でも、先発薬発売3年後には後発薬が認められ、これまで規制されてきたバイオ医薬品のジェネリック医薬品、バイオジェネリックの承認をめぐる動きも注目される。