宇宙開発事業は巨額の資金と経済的・技術的リスクをともなうため、欧米と同様、日本においても国家プロジェクトとして推進され、需要の中心を政府関係機関が占める、官需依存の研究開発型受注産業に位置づけられる。これまでに人工衛星、スペースシャトルやそれら飛翔体の打ち上げ用ロケット、推進燃料、制御・管制システム、地上施設などの設計製造から、資源探査・気象・通信・放送衛星、宇宙ステーション(有人宇宙基地)、宇宙実験室など、宇宙空間の公共利用分野の実用化にかかわるプロジェクトが展開されてきている。1998年からは日米欧、ロシアなど15カ国が総額5兆円の資金を投じて参加する国際宇宙ステーション(ISS 地上400キロの軌道を回る縦約70メートル、横約110メートル、重量約450トンの有人研究施設)の建設が進められ、日本は宇宙航空研究開発機構(JAXA Japan Aerospace Exploration Agency)が実験棟きぼうの建造と無人補給機HTV(H-2 Transfer Vehicle)の開発を担当している。2001年にはロシアの宇宙船ソユーズを利用してISSに短期滞在する宇宙旅行商品(費用2000万ドル)も登場し、宇宙観光時代の幕が開いた。