時速200キロ以上の高速で走行する鉄道路線を指すが、UIC(International Union of Railways 国際鉄道連合)が採用するEU(欧州連合)の定義では、時速250キロ以上で走行する専用新線ないし時速200キロ以上で走行する高規格化在来線を示している(EU指令96/48/EC)。1964年10月1日に開業した日本の東海道新幹線が世界最初であり、ヨーロッパでは78年にイタリアの高速新線ディレティッシマ(Direttissima)がローマ~フィレンツェ間の一部区間で開業したのを皮切りに、81年フランスのTGV南東線(パリ~リヨン)、90年スウェーデンのX2000(ストックホルム~イェーテボリ)、91年ドイツのICE(ハノーバー~ビュルツブルク、マンハイム~シュツットガルト)、92年スペインのAVE(マドリード~セビリア)など、各国で整備が進められている。2007年4月にはTGVが試験走行で時速574キロの世界最高時速を記録。同年6月から始まったTGV(パリ~シュツットガルト)とICE(フランクフルト~パリ)の相互乗り入れでは、一部区間を時速320キロで走り、一段と高速化が図られた。日本では山陽新幹線の時速300キロが最高だが、10年12月に新青森まで延伸した東北新幹線では、一部区間で13年度末までに時速320キロの走行が予定されている。04年には、TGVの技術を導入した韓国のKTX(ソウル~釜山)が部分開業し、07年には、日本から新幹線システムを輸入した台湾高速鉄路(台湾新幹線 台北~高雄)が開業。中国でも、外資技術の導入を含めた高速化計画が進展しており、ロシアでもモスクワ~サンクトペテルブルク間の高速鉄道建設計画が動き出すなど、鉄道システムの市場が国際的な膨らみを見せている。09年に運行を開始したイギリス、ロンドン~ドーバー海峡路線には、日立製作所製の高速車両(最高時速225キロ)174両が輸出された。