最終製品の検査を中心とする管理手法ではなく、原料から製造工程にわたって、発生の可能性のある危害をリストアップし、特に重点的に管理すべき点について監視し、その結果を記録に残すことで危害の発生を未然に防止する手法。1993年の国連食糧農業機関(FAO)/世界保健機関(WHO)の合同食品規格委員会(コーデックス委員会)総会で採択されたガイドラインによれば、(1)危害分析の実施、(2)重要管理点の決定、(3)管理基準の確立、(4)重要管理点の制御とモニター、(5)矯正措置の実施、(6)システムの維持、(7)記録の保持、これら七つの手順で実施される食品の衛生管理手法である。EUでは93年6月の「食品衛生に関する理事会指令」に基づき、95年より実施しており、食肉や水産物、またその加工品の輸入については、EUと同等の衛生水準をもつと認められる加工処理施設からの生産物しか輸入できない。アメリカも同様の措置をとっている。日本では旧厚生省が、2000年7月に起きた雪印乳業の集団食中毒事件を契機に、HACCPの承認や監視態勢強化を図るべく、評価検討会の設置など、運用改善策を決めた。