牛、豚、羊などに接触・空気感染する急性伝染病で、文字通り口、蹄(ひづめ)などに水疱ができる。2000年3月、宮崎県の肥育牛に、日本では92年ぶりに発生が確認され、5月にも北海道で肥育牛に確認された。感染源として飼料用の輸入稲わら・麦わらが疑わしいとされ、口蹄疫発生以降は検疫が強化されて実質的な輸入禁止措置がとられた。口蹄疫による致死率は5%程度と低いが、発育障害、流産、不妊などによる生産性の低下が著しい。人への感染はないとされるが、感染力が強く、発症した豚などへの治療法はないため、食肉貿易上細心の注意が払われる。世界でも、01年2月には、イギリスで豚に発生したことが確認され、その後フランス、オランダでも発生が確認されるなど、周辺国に拡大。EU域内での家畜取引が約2カ月禁止されるなど広範な影響が出た。