農林業がその生産活動を通じて生み出す公益的で多面的な機能を、一定の前提を置いて定量的に貨幣価値で評価、試算したもの。農業について三菱総研の2001年の試算では、洪水防止機能(代替法):3兆4988億円、河川流況安定機能(代替法):1兆4633億円、地下水涵養(かんよう)機能(直接法):537億円、土壌浸食防止機能(代替法):3318億円、土砂崩壊防止機能(直接法):4782億円、保健休養・やすらぎ機能(トラベルコスト法):2兆3758億円、などとなった。森林・林業について林野庁の試算では、1991年(39兆2000億円)と2000年(74兆9900億円)とがある。内訳は(00年試算値)、(1)森林による降水の貯留、洪水・渇水防止、水質浄化などの水源涵養機能:27兆1200億円、(2)地表の浸食・崩壊を防ぐ土砂流出・崩壊防止機能:36兆7000億円、(3)人に安らぎを与え、余暇の場を与える保健休養機能:2兆2500億円、(4)野生鳥獣保護機能:3兆7800億円、(5)二酸化炭素の吸収や酸素の供給など大気保全機能:5兆1400億円。以上いずれも1年間の機能評価額。