生産性、収益性をはじめ、農薬や化学肥料による環境負荷の軽減にも配慮した持続可能な農業。全国的な広がりがみられる。なかでも、生態系の維持保全を重視して、無農薬・無化学肥料で有機物の土壌還元等による土づくりと、合理的な作付体系を基礎とした有機農業は、消費者の安全志向、自然志向に対応してその取り組みが拡大している。消費者ニーズの高まりを背景に、多くの量販店や百貨店でも有機農産物等を取り扱うようになり、消費者への直接販売やそれを通した交流なども活発になってきている。しかし、環境保全型農業は、場合によっては労働時間の増大、収量や収入の低下などを招くこともあり、有機物などのリサイクルシステム、地域農業システムなどの確立が課題となっている。