持続可能な森林経営の状況を明らかにするため、国連食糧農業機関(FAO)が229カ国の1990~2005年の間の状況を取りまとめたもの。これによれば、05年時点の世界の森林面積は約39億5000万ha、地球の陸地面積の約30%を占める。熱帯林を中心に森林面積は2000~05年の間に毎年730万ha減少した(1990~2000年の減少は890万ha)。地域別では、ヨーロッパで森林面積がわずかに増え、1990年代には減少したアジアでは、2000~05年には主に中国の植林により増加に転じた。世界的な森林火災、害虫や病原菌や、干ばつ、風害、氷雪害、洪水などの気象要因により、毎年1億400万haの森林に深刻な影響があった。例えば、1997~98年のブラジルとインドネシアの森林火災では、それぞれ200~300万ha熱帯林が焼失し、シベリアの森林でも過度の伐採で森林が減少した。野生生物種の多様性が急速に失われ、また二酸化炭素の吸収にも大きな影響が懸念される。